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社員のエンゲージメントが低下する理由は? 必要性や向上のメリットを解説
2023.04.17
「離職率が年々高まっている」「社員にやる気が感じられない」……このような場合、社員のエンゲージメント低下が疑われます。エンゲージメントは「愛社精神」「思い入れ」とも言い換えられ、社員の働くモチベーションに直結する要素です。
ここでは、社員のエンゲージメントが低下する原因を解説。社員のエンゲージメントが低下した原因や、エンゲージメントを向上させるメリットについてもご紹介します。
社員のエンゲージメントが低下する理由とは
会社に対する社員のエンゲージメントが低下する理由には、次の5つが考えられます。
・人事評価が適正ではない
・ルールが必要以上に厳しい
・勤務時間制度の弊害が生じている
・業務に個人の強みが活かせない
・仕事が細分化、複雑化しすぎてモチベーションが持てない
どういうことなのか、それぞれくわしく見ていきましょう。
人事評価が適正ではない
「仕事を頑張っているのに評価・反映されない」というのは、社員のエンゲージメント低下に直結します。
そもそも、頑張っても報われないのにルールに従って働け、というのは社員のモチベーションをじわじわと奪っていく行為です。
また、世の中には「頑張って成果も出しているのに明らかに仕事をサボっている上司のほうが高給取り」というケースも多いでしょう。これこそ年功序列制度の弊害ともいえますが、現代の社員にとっては「頑張っても評価されずムダになる」として、大きなエンゲージメント低下につながります。
ルールが必要以上に厳しい
エンゲージメント低下の一因には「オーバーコンプライアンス」も考えられます。法令を遵守するために必要以上に規則を厳しくすることを指しますが、手続きの複雑化、監視の厳格化などによって社員は「挑戦がしにくい環境」と感じてしまうのです。
そうなれば、「挑戦⇒成功」の喜びもありませんし、やりがいを持てなくなるのは必至です。結果的にエンゲージメントが低下してしまっても無理はないでしょう。
勤務時間制度の弊害が生じている
勤務時間制度とは、指定の勤務時間にいなければ給与を控除される給与システムのことです。
優秀な社員は、効率的に仕事を進められるため早く仕事が終わります。しかし、勤務時間制度を採用している限りは、指定の退勤時間まで会社で待機をしていなければなりません。
また仕事の手が早い社員には新たな仕事を割り当てられることも多いものです。しかし、「給与額は変わらないのに仕事を早く終わらせるほど業務量が増える」「ダラダラ仕事をして残業した人のほうが残業手当もつくし、収入が増える」などの不満が生まれるケースも珍しくありません。
この結果「どうせ給与も変わらないし、時間内にちょうど終わるように仕事のスピードを調節しよう」と考える社員が増えます。
このような環境では「新たな挑戦をしてみよう」という意欲や「能力を発揮して仕事を頑張る」というモチベーションも生まれません。当然ながら、エンゲージメント向上についても難しいでしょう。
業務に個人の強みが活かせない
現代の日本に多い「職能型人事制度」は、“広く浅く仕事ができること”が強く求められています。企業によってはスキル重視で人材を集めているところもありますが、職能型人事制度を採用している企業のほうが多数派であることには変わりません。
職能型人事制度は、「専門性の高い仕事」でプロ意識をもって働きたい社員には向いていません。
自身の強みが活かしにくい人事制度の中で仕事を続けると、エンゲージメント低下につながりやすいでしょう。
仕事が細分化、複雑化しすぎてモチベーションが持てない
組織体系が複雑になり縦割り化されると、仕事が細分化されていきます。そうなると「特定の仕事のみをする部署」が増えることになりますが、そこが社員それぞれの強みや能力が活かせる場所とは限りません。
たとえば、顧客対応が得意な社員が顧客と全くかかわりのない部署へ配属されたとしたらどうでしょうか。短中期的には顧客対応以外のスキルが身につけられるメリットがあるかもしれませんが、長期的に見れば「やりたかった仕事ができない」とモチベーションを腐らせてしまうことにもなりかねません。
モチベーションの低下はエンゲージメント低下にもつながるでしょう。
社員エンゲージメントが低い企業の特徴
社員のエンゲージメントが低い会社には3つの共通点があります。
・社員の離職率が高い
・従業員のモチベーションが低い
・コミュニケーションが不足している
社員数に対し離職率が高い会社は、社員のエンゲージメント低下が著しい状態であるケースが多いです。
またエンゲージメントが低下している会社では、社員のモチベーションが低くなります。仕事に意欲的に取り組めなくなるため、業績が伸び悩みやすいのも特徴です。
そのほか、コミュニケーションが不足している企業についても、社員エンゲージメントが低くなりやすいでしょう。
コミュニケーションがスムーズに取れないとストレスが溜まり、働きにくさからやりがいを感じにくくなります。結果として、会社へのエンゲージメントも下がってしまうのです。
社員のエンゲージメントを高める必要性やメリットは?
ここまでは「社員エンゲージメント低下の原因」についてお伝えしてきましたが、そもそもエンゲージメントが高くなるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、社員のエンゲージメントを高める必要性、メリットをご紹介します。
職場の雰囲気や人間関係の改善
社員のエンゲージメントが総じて高い職場は、全員が前向きな気持ちで業務に取り組むことができます。結果的に職場全体がポジティブな雰囲気をキープでき、コミュニケーションも活発になります。
また風通しがよく前向きな職場では、人間関係の問題も生じにくいものです。円滑な人間関係が築ければ、社員それぞれが楽しく快適に働けるようになるでしょう。
離職率が低下する
職場や人間関係が良好だと、離職率も低下します。近年は少子化によって新たな人材を確保する難度がかなり上がっていますが、エンゲージメントを高めると「愛着のある職場を離れたくない」と感じるものです。
こうして人材流出を最小限にできれば、優秀な人材の確保に奔走せずともすみます。
社員のモチベーションアップ、業績アップが期待できる
社員のエンゲージメントが高まると、仕事へのモチベーションも高まります。やる気に満ちた社員は持てる能力を駆使して業務にはげみ、会社へより貢献したいと考えるようになります。
そうなれば、業績アップも期待できるでしょう。
顧客にも満足度向上などのよい影響がある
社員エンゲージメント向上にて得られる“影響”は、会社に対してだけではありません。
社員が高いモチベーションを持って業務に取り組むと、顧客へ真摯な対応を取ろうとします。「中途半端な仕事で会社に損害を与えたくない」と感じるからです。
こうした対応は顧客側からすれば「ていねいに対応してくれた」「質のよい商品・サービスを販売してくれた」というふうに感じるため、高い満足度が得られます。
課題の改善やイノベーションにつながる場合も
社員エンゲージメントが向上すると、「企業にとっての課題を改善しよう」と前向きな考えが生まれやすくなります。また企業へ貢献したいという気持ちから、これまでにない新たなアイデアが生まれることも。
こうした思いは企業の業績アップにもつながりますし、エンゲージメントの高い社員が集まることで「困難な状況になってもみんなで乗り越えよう」という強い仲間意識へと変化します。
エンゲージメント低下を防ぎ、社員との結びつきを高めよう
エンゲージメントを高めるにはさまざまな施策が必要です。
・アンケート、面談でのヒアリング
・適切な人事評価の実施
・毎日コミュニケーションを取りやすい環境づくり
・心身の健康をチェック(パルスサーベイ)
・マネージャーの教育
・ワークライフバランスの向上を目指す取り組みの実施
エンゲージメントは数字化するのが難しいですが、アンケートや面談などでの聞き取り、パルスサーベイなどを利用した心身の健康チェックなどを定期的に行うことで指標を得られます。
この指標をもとに人事評価、職場環境、コミュニケーション環境などの改善を行いましょう。また管理職に教育を行い、社員のエンゲージメントを高まる接し方を身に着けてもらうことも重要です。
エンゲージメントを十分に高め、自社の業績アップや離職率低下を目指しましょう。