- Home
- 研修・会議 お役立ちコラム
- 中堅社員研修のポイントは? 研修で学ぶべきスキルについても解説!
Column お役立ちコラム
研修・会議お役立ち情報
中堅社員研修のポイントは? 研修で学ぶべきスキルについても解説!
企業にとって「中堅社員」は、現場を支えつつ下の世代の育成も行う、実に頼もしい存在です。その一方で、「中堅社員の成長が伸び悩んでいる」「将来、管理職になれそうな中堅社員がいない」など、“中堅社員の育成”が課題になっている企業も少なくありません。
このような企業では、中堅社員であっても「研修」で新たな知識、スキルを身につける必要があります。あらためて研修を行い優秀な中堅社員を育成することで、下の世代の成長につながるからです。
ここでは、中堅社員研修にポイントや研修で身に着けるべきスキル、研修効果を最大化するためのポイントを解説します。企業全体の成長のカギである中堅社員の育成について、あらためて考えてみましょう。
中堅社員とはどのような社員?
『中堅社員』とは、役職に就いていない入社3~4年目以降、年齢で言えば20代後半~30代の社員を指します。
中途入社の社員であれば1~2年目以降を「中堅社員」と呼ぶことが多いです。
社歴がある分中堅社員は新入社員よりも業務経験・スキルを積んでおり、現場の業務を支える重要な存在です。管理職と現場チーム、若手社員の橋渡しのような役割もあり、企業経営をスムーズに回していくには欠かせない存在ともいえるでしょう。
しかし、多くの企業では中堅社員に対し“伸び悩み”を感じているケースが多々見られます。
中堅社員の“伸び悩み”とは? 研修で学ぶべきスキルについて
中堅社員の“伸び悩み”とは、中堅社員自身の成長・スキル習得スピードが鈍化することを指します。
またそれだけでなく、後輩社員の育成やキャリアアップなどに興味関心を抱かないといった事例も“伸び悩み”にカウントできるでしょう。
・指定された研修などは受けるものの、能動的にスキルアップや成長を目指すことはない
・自身の仕事はそつなくこなすが、後輩の教育・指導には積極的に関わろうとしない
・昇進などのキャリアアップに興味がなく、常に現状維持である
企業の多くを占める中堅社員が上記のような状態では、企業としての成長もゆるやかになっていきます。
一方、中堅社員のスキルや経験を強みとして生かしつつ、教育によってさらなる補強ができれば、労働力は大幅にアップするでしょう。
そのためには、「研修でスキルの習得や知識の習得を通じ、モチベーションアップをはかること」が重要です。
中堅社員が研修で学ぶべきスキルとは?
中堅社員が研修を用いてスキルを習得することは、企業の労働力強化に直結します。
では、具体的にどのようなスキルを身に着けるべきなのでしょうか。
・コミュニケーション能力
・ネゴシエーション(交渉)スキル
・ティーチング、コーチングなどの教育スキル
・課題の発見&解決能力
・リーダーシップ
・オーナーシップ
・フォロワーシップ
・発展的な業務スキル
管理職と若手社員の橋渡し役となる中堅社員には、コミュニケーション能力が必須です。必要事項を分かりやすく伝達し、かつ円滑に業務を進めていく力はもちろん、後輩となる若手や新入社員に対する適切なコミュニケーション能力も求められます。
またコミュニケーション能力の中でも「ネゴシエーション能力」は中堅以降のポジションにおいては必要不可欠です。
ビジネスでは意見が対立したり、各々の提示する条件に折り合いが付かなかったりするケースが多々あります。そうした中でネゴシエーション、つまり論理的に分析し、プレゼンをする力が高ければ、お互いが利益を得られる“落としどころ”が見つけやすくなるでしょう。
相手と対等に渡り合えるスキルは、ビジネスを円滑に進めるうえで重要です。
その他、「教えられる側」から「教える側」へと立場が変化する中堅社員にとっては、ティーチングやコーディングといった教育スキルも必須です。
チームの中心となって業務に取り組むためには、課題の発見・解決能力やリーダーシップ、当事者意識(オーナーシップ)、上司をフォローする力(フォロワーシップ)も伸ばしていく必要があるでしょう。
中堅社員研修を成功させるポイントは?
中堅社員研修は短期的に見れば「スキルアップ」「社員自身の意識醸成」などの効果があります。
また長期的には「スキルの底上げによる労働力の強化」「受け身姿勢からの脱却」のほか、「後輩社員に対する教育スキルの向上」「管理職候補の育成」といった目的があります。
とはいえ、やみくもに研修を行えばよいというものでもありません。
中堅社員の教育では、次の3サイクルを回していくことが重要です。
1.研修で学ぶ
2.実践の場で“課題”を見つける
3.課題に対し必要な知識・スキルをさらに深掘りして学ぶ
このサイクルを行うための具体的なポイントは、以下のとおりです。
求める人材像やテーマを明確にする
中堅社員研修を実施する際には、「企業が中堅社員に求める人材像」「研修のテーマ」を明確に提示しましょう。
仮に中堅社員研修を実施したとして、「目的やどうなってほしいかが曖昧な研修」と「5~7年目の中堅社員を対照に、コーチングを活用した後輩指導スキルを取得してもらう研修」とでは、後者のほうがより具体的です。
対象者も明確になるため、おざなりになりがちな中堅社員の研修機会を確保しやすくなります。
今後のキャリアについて考える機会を設ける
中堅社員は「キャリアについてそろそろ考えなければならないが、どのようなキャリアコースがあるのか漠然としている」という者も少なくありません。
また「自分のスキル、経験でどのようなキャリアを実現できるか分からない」など、自身の客観的評価や将来への展望が掴めないまま、というケースもあります。
このような中堅社員に対しては、「これまでのキャリア・経験・スキルを振り返りつつ、今後どのようなキャリアを築いていくべきか」を考えてもらう機会を設けましょう。
リーダーシップ研修やマネジメント研修に盛り込むほか、「キャリアアップ研修」として、キャリアにフォーカスした研修を開くのも効果的です。
仕事に対する考え方、意識の醸成を促す研修内容にする
企業を担う中堅社員には「広い視野で全体像を見つつ、主体的に仕事を進めていく姿勢」が求められます。
よって、『客観的状況を把握しつつ、自分が中心となって課題を解決していく意識』の醸成にフォーカスした研修を行うことも重要です。
・業務内容
・メンバーの状況
・チームとしての課題
・会社の方針、競合の動向
・社会情勢
これらのさまざまな要素を“キャッチする”ための考え方や、思考整理の手段(ロジカルシンキングなど)も、研修で改めて身に着けてもらいましょう。
立場、業務の転換によってさまざまな経験をさせる
中堅社員研修は「実施して終わり」ではその内容が定着しません。
研修を行うと同時に「部下をつける」「チームのリーダーなど責任ある立場を経験させる」「ジョブローテーションでさまざまな職種を経験させる」といった、『実践経験』を積ませることが大切です。
研修で学んだことはあくまでも「知識」にすぎず、その知識を実際の業務に活用していくには繰り返し実践するしかありません。部下をマネジメントする経験、責任あるポストでの経験、複数職種での経験を積んでいけば、それぞれで課題が浮かんでくるはずです。
このとき中堅社員は『課題解決の方法を考え、試行を繰り返し、ブレイクスルーする』という成功体験を経て成長します。
「習うより慣れろ」という言葉のとおり、研修内容を定着させるには『実践に落とし込む機会』を必ず設けましょう。その際に解決できないこと、不足している知識やスキルが明らかになったら、次の中堅社員研修へとつなげていきます。
中堅社員のスキルアップで企業成長を目指そう!
企業が安定した経営を続けるには、経験・スキル共に豊富な中堅社員の存在が不可欠です。
また中堅社員は現場の主力となるだけでなく、将来の管理職・幹部候補ともなりうる人材でもあります。
勤続年数が多くなると途中で伸び悩みを感じ、業務に意欲的ではなくなる社員もいるかもしれません。もちろん、モチベーションの上下は社員それぞれで個人差があり、その原因はひとつではありません。
ただ、「自分の将来のビジョンが持てない」「スキルが足りている実感がなく、上を目指す意欲がない」という理由の場合、中堅社員研修によってモチベーションを上げることも不可能ではないでしょう。
中堅社員研修の実施率は3割程度とも言われています。しかし企業が主体となり中堅社員のモチベーションを上げ、かつスキル習得・経験の構築をサポートできれば、より強固な組織へと成長できます。
「社員それぞれ忙しいから」「問題なく仕事ができているから」と据え置きにせず、いま一度「中堅社員に不足しているスキルはないか」「中堅社員にどのような存在になってほしいか」を再考してみてはいかがでしょうか。