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研修を行う意味・目的とは? 基本に立ち返って考えてみよう!

2023.02.22

企業が慣例的に開催している「研修」。参加者はもちろん、開催側としても「研修を行う意味はあるのだろうか?」と疑問に思われることがあるかもしれません。

そもそも企業が行う「研修」には、どのような意味・目的があるのでしょうか?

ここでは、研修の基礎に立ち返り、「研修の意味や目的」「種類」を解説します。また、研修の流れや成功のためのポイントについてもお伝えするので、初心に帰ってチェックしてみましょう。

研修の目的は“成長”

研修の主目的はずばり「成長」。
企業は従業員の成長を促すため、多種多様な研修を実施します。

人材育成を行うことで業務のクオリティアップ、生産性・効率アップなどが期待できます。
通常業務ではなかなか習得しにくい知識やスキルも、研修で集中的に学ぶことで効率的に身につけられるのです。

一方従業員は、自己成長の機会を得るために研修へ参加するケースが多いでしょう。

中には「規則だから」「上司に言われたから」と受動的な理由で参加をすることも珍しくありませんが、参加した結果としてさまざまな知識・スキル・考え方を身につけられます。

【研修のおもな目的】
・人材の育成による知識、スキル、考え方の習得を促す(企業側)
・自己成長の機会にする(従業員側)

反対にいえば、研修を実施する側は『参加者が成長できる内容にすること』が非常に重要となります。
よって、「慣例だから」と毎年同じ研修をするのではなく、参加者に合わせた内容へと常にブラッシュアップしていくことが求められるでしょう。

研修の種類やそれぞれの長所・短所

ひとくちに『研修』といっても、実際には開催形式や対象者によってさまざまな種類に分けることができます。

研修の開催形式には3種類がある

開催形式に着目してみると、研修には次の3種類の方法があります。

・OJT(On the Job Training)
・Off-JT(オフライン/オンライン)
・e-ラーニング

OJT(On the Job Training)

OJTとは、業務の現場で実際に働きながら知識・スキルを身に付ける研修方法です。

多くの場合は先輩社員が専属(または共通の)メンター、トレーナーとなり、業務の流れや知識、技術などを教えていきます。

実際の業務に就きながら学んでいくスタイルゆえ、実践的な知識・スキルが身に付きやすいのが最大のメリットです。即戦力となる人材育成がしやすいため、OJT終了後はスムーズに業務が行えるようになります。
また研修会場などを借りる必要がなく、企業側にとっては「コストが節約できる」といった利点もあります。

その一方で、習得できる知識・スキルに偏りが生まれやすいデメリットもあります。

業務をこなしながら学ぶスタイルゆえ、「これも教えたい(教わりたい)けれどタイミングが作りにくい」といった事態に陥りやすいのです。加えて、教える側は通常業務に研修指導がプラスされるため、負担が大きくなりやすい懸念もあります。

幅広い知識・スキルを体系的に身につけたい場合は、後述する「Off-JT」を活用するとよいでしょう。
そのうえで実践的な知識・スキルをOJTで教育すれば、鬼に金棒です。

Off-JT(オフライン/オンライン)

Off-JTとは、OJTの逆で「業務を離れて行う研修」を指します。主に自社の会議室や貸し会議室、研修施設などを利用して行われるもので、専門性の高い知識・スキルをじっくりと学びやすい点がメリットです。

集合型研修の場合は参加者の一体感が高まるほか、教える側はまとめて多数の人に教えやすく、効率的に人材育成ができる利点もあります。

その一方、Off-JTは「開催準備やコストが必要」というデメリットもあります。
自社開催であっても設営や片付けなどの手間は生じますし、貸し会議室などを借りる場合はその手間とコストもかかります。また、業務の流れに応じた実践的なノウハウを学びにくい側面もあるでしょう。

なお、Off-JTの開催方式にはオフライン(会場に集まって行う研修)、オンラインがあり、近年はオンライン研修の事例も増えつつあります。

さらに、企業によってはオフライン・オンラインを同時に開催する「ハイブリッド研修」を行っている場合もあります。

e-ラーニング

e-ラーニングとは、事前に収録した動画等のコンテンツを配信して行う研修手法です。

企業は特定のサーバー等にファイルをアップロードし、研修の対象者自身が動画・コンテンツを活用しながら学びを深めていきます。

研修対象者は時間や場所に縛られることなく、好きなときに、好きな場所で研修コンテンツを見られるのが大きなメリットです。また管理側(企業)は、研修対象者の受講状況、学習効果を確認しやすくなります。

リアルタイムで行うべき業務の流れやイレギュラー対応などを教えるのには向いていませんが、過去の事例・ナレッジを共有したい場合には有効な研修手段だといえます。

対象者別・研修の種類や特徴

研修は「受講する対象者のスキル・立場・職種」によってもカテゴリ分けができます。

・スキル別研修
・階層別研修
・業務・職種別研修

それぞれの特徴をおさらいしていきましょう。

スキル別研修

こちらは、部署や業務内容、職種に関わらず「必要な知識・スキルの習得」を目的とした研修です。

たとえばビジネスに必須のWord・Excel・PowerPointなどの基礎研修のほか、IT・ネットリテラシー研修、DX研修、リモートワーク用研修などはスキル研修に該当します。

階層別研修

階層別研修とは、その人の立場、役職ごとに実施される研修です。

【階層別研修の例】
・新入社員研修
・若手/中堅社員研修
・ベテラン社員向け研修
・管理職(マネージャー)研修
・ビジネスリーダー向け研修

ひとくちに「従業員」といっても、必要な知識やスキルはフェーズ(役職)によってまったくことなります。各階層に必要な知識・スキルを補うための研修を実施することで、業務のクオリティや方向性を均一化することができます。

業務・職種別研修

業務や職種によっては、特定の知識・スキルが必要になることがあります。

たとえば企画・開発であればマーケティングやプレゼンに関する知識・技術が必須ですし、営業ならコミュニケーション術などのノウハウが必要になるでしょう。

業務や職種に特化した知識・スキルを研修で身に付けることで、さらに生産性を上げることができます。

研修の流れは? 立案から開催後まで

研修を開催する流れは以下のとおりです。
企業によっては、定期的に行っていて慣例化している研修もあるかもしれません。その場合も基本的な研修実施の流れは同じです。

1.研修の目的と方法を決める
2.準備に必要なこと・ものの洗い出し
3.運営スタッフの選定
4.研修内容を具体的に決定、会場等の手配
5.参加者への通知
6.リハーサル、最終確認
7.研修後の振り返り、効果の分析

1~4で研修内容を決定していきますが、必要な準備はすべてチェックリストにおこし、運営チームで共有しましょう。チェックリストに沿って早めに会場や備品等の手配を済ませておくことも重要です。

また、研修会場によってはスタッフが立案~開催後まで伴走してサポートしてくれるところもあります。

研修の開催実績が少なく不安な場合は、こうした研修施設を選んで利用するのも賢い選択でしょう。


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研修を成功させるポイント

研修を成功させるには、3つのポイントを押さえておきましょう。

・参加者に役立つ内容をわかりやすく伝える
・必ずリハーサルを行い、滞りなく進められるかチェックする
・終了後はアンケートやヒアリング等で効果を測定する

研修で特に重要なのは「内容と伝え方」そして「効果の分析」です。
内容がスカスカであれば研修を開催する意義そのものがなくなりますし、内容がよくても伝え方が悪ければその効果はイマイチになってしまいます。

また、研修の失敗を防ぐためにリハーサルを行っておくことも大切でしょう。

特にグループワークなどの「手作業を伴う研修」をする場合、想定していた時間を超過してしまうケースも少なくありません。貸し会議室や研修施設を借りて行う研修では、「満室で利用時間の延長ができない」といった可能性も考えられるので注意しましょう。
もしリハーサルで時間超過しそうだと感じたら、研修ボリュームの見直しも検討すべきです。

なお、研修実施後にはアンケートやヒアリング、テスト等を行い、研修の効果を測定することも重要です。
研修の効果をはかることで次回の改善につながり、「最小限のコストで最大の効果を得られる研修」を作れます。

研修は明確な目的を持って開催しよう

研修はおもに『人材の成長』を目的として行われるものであり、適切な研修を実施すれば企業にとって大きな効果が得られます。また従業員それぞれに関しても、自身の知見や技術を高めることで自信につながる効果があるでしょう。自己肯定感が高まれば、働く意欲にもつながっていきます。

よって、研修を実施する際は、まず明確な目的を定めること。そのうえで最適な手段、場所で開催するようにしましょう。

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