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ChatGPTは研修にも活用できる! メリットや活用方法、注意点を解説
AIを使った会話システム「ChatGPT」は、人間のような自然な会話ができるだけでなく、知りたい情報を的確に返してくれるツールとして世界中で注目されています。
ことビジネスにおいても業務内でChatGPTを活用している例は多く、「企業研修にもChatGPTを活用できないだろうか?」とお考えの担当者様は多いのではないでしょうか。
ここではChatGPTの概要や研修に導入するメリット・デメリット、活用例をご紹介します。ChatGPTを研修に活用するためのポイントや、注意点についても解説していますので、併せてご参考になさってください。
ChatGPTとはどのようなもの?
ChatGPTは「AIチャットサービス」とも呼ばれる、言語モデルのひとつです。もともとアメリカのOpenAI社が開発した言語モデルであり、「自然言語処理技術」を用いているため、まるで人間のように会話ができることが特徴です。
ChatGPTは膨大なテキストデータから情報を学習しており、質問文(プロンプト)を入力することで文章の自動生成・要約・翻訳・応答・提案などを行ってくれます。こうした機能から、ChatGPTは「AIアシスタント」「自動翻訳」「コンテンツの自動生成」など、さまざまな分野で活用されています。
ChatGPTの登場は「革命」ともいえるものであり、現在もさらなる進化を続けています。
今後は上記分野のみならず、企業研修においてもChatGPTを活用するケースが増えると考えられているのです。
企業研修にChatGPTを使うメリット・デメリット
研修担当者様の中には、「企業研修にChatGPTを活用すれば、効率化がはかれるのでは?」とお考えになる方も多いものです。仮にChatGPTを企業研修へ活用した場合、次のメリット・デメリットが生じると考えられます。
メリット
ChatGPTを企業研修に活用した場合、以下のメリットが得られます。
・時間に縛られないオンデマンド研修が可能
・自己学習の促進につながる
・時間と人件費の削減につながる
・学習のさせ方により高度な情報を提供することもできる
・新たな研修内容の提案が生まれる場合がある
研修講師は拘束時間に限界がありますが、ChatGPTは24時間365日使用可能です。あらかじめChatGPTに研修で教える内容や知識などを学習させておけば、いつでも受講者の質問・疑問に答えてくれる「先生」となってくれるでしょう。
聞きたいときに聞けて、かつ的確な教えかたをしてくれるChatGPTがあれば、受講者の自己学習も促進されます。動画などを活用したオンデマンド学習は一方通行的になりがちですが、ChatGPTなら受講者から能動的に学習できるので、学習効果も高まるでしょう。
時間や人件費などのコスト削減にもつながり、企業にとってもメリットは大きいといえます。
さらに魅力的なのが、ChatGPTは「学習ができる」という特徴を持っていること。研修に必要な情報から関連情報などを学習させておくことで、受講者たちにより高度な情報を提供できるようにもなります。
研修がマンネリ化してきたときは、ChatGPTに質問することで、新たな研修内容を提案してくれる可能性もあります。
デメリット
便利かつ効率的な研修を実現できるChatGPTですが、デメリットもあります。
・誤った情報が提供される場合がある
・人間のチェックと修正は必須
・思い通りの文章を出力するには適切な質問文(プロンプト)の入力が必要
ChatGPTはまだ発展途上ゆえ、吐き出される情報が正確とは限りません。学習し取り入れた情報が間違っている場合や質問をうまく処理できなかった場合、誤った情報を提供してしまうケースがあるからです。
そのため、ChatGPTが提供する情報が正しいか、最終的なチェックは人間の手で行う必要があります。
また、適格な回答・結果を出力するためには、適切な質問文(プロンプト)を入力する必要がある点も知っておきましょう。
企業研修におけるChatGPTの活用例
「ChatGPTを企業研修に活用する」とはいっても、具体的にはどのような運用に向いているのでしょうか。
技術力アップを目的とした研修
自社の業務に必要な技術力を磨く研修において、ChatGPTは「技術に関する情報」「トレーニング方法のアイデア」などを提供してくれます。また実技系の演習、シミュレーションの方法について質問をすれば、具体的なやり方などのアドバイスをもらえます。
受講者がChatGPTに直接質問をし、不足していた知識・スキルを向上させることもできるでしょう。
コミュニケーション能力強化のための研修
自然言語による会話が得意なChatGPTは、コミュニケーションスキル研修に向いています。
参加者がChatGPTと会話の練習をし、フィードバックをもらうことで、自己表現力・聞き取り力・アドバイス力の向上が期待できるでしょう。
語彙力、文章表現力の向上研修
ChatGPTを使った語彙力・文章表現力の向上研修では、事前に準備されたコンテンツを言語モデルに学習させた上で、課題を提示して社員が回答するという方法も有効です。これにより語彙力・文章表現力の向上が期待できます。
課題の洗い出し、研修でのトレーニングの目的設定
ChatGPTは企業の課題の洗い出しや、研修の目的設定にも使えます。
入力した文章を解析したうえで現在の課題を洗い出し、課題に関するキーワード、アイデア、情報を効率よく収集できるのです。
また、得られた課題・情報をもとに「どんなトレーニングを行うべきか」といった質問をすれば、トレーニングプランの提案もしてくれます。これにより、効率的・効果的な研修プログラムを構築できるでしょう。
ChatGPTで教材開発を行う
ChatGPTは、研修に使用する教材開発にも役立ちます。これまで学習した膨大な情報をもとに教材となる文章を自動生成してくれるため、効率的に教材開発ができるようになります。
また、企業の業務・経営・チームなどが持っている課題を入力することで、独自の教材を作ることもできるでしょう。
企業研修でChatGPTをうまく活用するコツとは?
企業研修でChatGPTをうまく活用するには、いくつかのポイントがあります。
あくまでも補助として使う
ChatGPTは優秀な自然言語処理技術を用いて文章生成を行ってくれるシステムですが、情報の全てが正確とは限りません。よって、あくまでも「補助」として使うことが望ましいでしょう。
また、研修の参加者は「人」なので、理解度・進捗状況にもバラつきが生じます。
そのためChatGPTに任せきり……ということは避け、担当者が主導しながら教育を進めていく必要があります。
質問の組み方を工夫する
ChatGPTは自然言語処理を利用しているため、複雑な質問文を投げかけると思ったような答えが得られない場合があります。検索クエリで使う言葉によって回答が異なりますが、『簡潔で明確な文章』を使って質問をするようにしましょう。
参加者にChatGPTを使用してもらうのであれば、あらかじめ質問文の作り方のコツについてレクチャーしておくとスムーズです。
フィードバックを収集し、回答精度を向上させる
先述のとおり、ChatGPTが提供する回答には誤った情報が含まれていることがあります。
質問に適切な答えが提供されているかを検証するには、利用者からフィードバックを収集するとよいでしょう。フィードバックをもとにChatGPTへ正しい情報を学習させていけば、回答精度の向上が期待できます。
研修内容に合ったカテゴリー設定を行うこと
ChatGPTを使った研修では、回答で求める情報に加え“カテゴリーを適切に設定すること”も大切です。
例えば、技術系の研修では「プログラミング」や「システム設計」など、他の研修と違ったカテゴリー設定が必要になることがあります。
企業研修でChatGPTを使う際の注意点
最後に、企業研修でChatGPTを使う際の注意点をお伝えします。
研修領域によっては回答の信頼性が低くなる可能性がある
ChatGPTの回答は蓄積されたトレーニングデータに依存します。よって、情報が少ない分野・領域、極端にニッチな内容の研修においては思った回答が得られず、適切な運用ができない可能性があります。
研修でChatGPTを導入する際に不安要素がある場合は、試しにChatGPTを導入し、回答の信頼性を確認してから判断しましょう。
参加者の個人情報や機密情報を入力しない
ChatGPTには個人情報や機密情報を入力しないようにしましょう。
ChatGPTには、チャット履歴を内部学習に使用する機能があります。言語処理のトレーニングにはかなり効率的な機能ですが、これは裏を返せば「重要な情報がうっかり出力されてしまう」という可能性もある、ということでもあります。
事実、過去には韓国の大手企業がChatGPTに機密情報を入力し、誤って流出させてしまった事例もあります。またChatGPT側でも個人情報などプライバシーにかかわる情報にアクセスできないような対策は講じられていますが、外部からの不正アクセスで情報が漏洩する可能性も考えられるでしょう。
もしもの時を考えて利用者には個人情報、機密情報を入力しないように周知しておきましょう。
ChatGPTを使って効果的・効率的な企業研修を企画してみよう
ChatGPTを研修に活用できれば、研修プログラムの最適化、学習機会の増加や参加者のモチベーションアップといったさまざまな恩恵が得られます。「研修の企画・準備・運営を効率化したい」という研修担当者様は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、現時点においてChatGPTは「導入して終わり」というものではありません。現時点では「情報の精度の問題」などの課題もあるため、補助的に使用する方法が望ましいでしょう。
研修にChatGPTを活用されたい方は、適切なカテゴリー設定や質問の組み方、フィードバックの収集なども工夫しつつ、自社に合った活用方法を見つけてみて下さい。